そして、中国とロシアの国有メジャーが世界的大企業にまで躍進してしまった。 このことのもつ意味は非常に大きい。
天然ガスを含む世界最大の産油国としてロシアが浮上した。 そのロシアが二○○七年、サンクトペテルブルクに原油取引所を開設した。
ここでの取引はドル建てでなくルーブル建てである。 これに世界第四位の売上げ、Pトロチャイナをもつ中国が協力することになっている。
アメリカにとって、これ以上の脅威はないだろう。 冷戦体制の「負け組」が手を組み、アメリカに挑戦しているのだから。
しかも、彼らはアメリカの軍事力には屈しない。 核保有国としての大きな軍事的交渉力をアメリカに対してもっているからである。
彼らのルーブル建てを阻止すべく、Fインのように軍事力でねじ伏せることなどアメリカには、もはやできないことである。 しかも、アメリカにとって都合の悪いことに、中国の外貨準備額は一兆五○○○億ドルを超え、日本を抜いて世界第一位である。

ロシアも石油のお陰で日本に次ぐ世界第三位である。 そして、中国が保有しているアメリカ債は、額にして世界第二位である。
彼らは、アメリカの威嚇に弱い日本と違って、自己のコントロール下にあるドル資産をアメリカとの交渉に最大限活かそうとするであろう。 Pーチンは、卓抜な自国の軍事技術を駆使して世界の原油探査に協力している。
ジャーナリストのH田和幸氏の表現によれば、次のようになる。 「ロシアから見れば、サブプライムという「詐欺まがい」商品で深手を負ったアメリカの金融機関は、さしずめバーゲンセールの目玉商品だ。
資本主義を弄んだ金融大国は、リアルな資源に裏付けられたロシアの挑戦に揺れている」(『週刊G代』二○○八年二月九日号、一五四ページ)。 すでにEUは、石油と天然ガスの約三○%をロシアに依存している。
中国もまた世界中で石油採掘に邁進している。 とくに、アメリカに反抗するベネズエラのウゴ・Cャベス大統領(一九五四~)に接近して、ラテンアメリカに地歩を築いている(M崎正弘「アフリカ・南米二大陸を操縦する中国エネルギー戦略」『S君!』二○○七年ニ月号、一九四ページ)。
こうした新しい動きは、一九七○年代の資源ナショナリズムの昂揚に見られたNIEO(新国際経済秩序)のように、第三世界に希望を与えたものとは質を異にするパワー・ポリティクスで彩られていることは否めない。

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